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【日本の命運を握る日米関係】 世界情勢アナリスト・高島康司氏に聞く

日本の命運を握る日米関係 

           

日矛

皆さん、こんにちは。今回も前回に引き続き世界情勢アナリストの高島康司さんをお招きしています。
ヤスさん、今回もよろしくお願いします。

高島康司

よろしくお願いします。

日矛

前回は、なかなか一般には知られていないような話がどんどん飛び出して、本当に面白かったです。
今回は石破新政権が出てきて、今の国際情勢も含めて実際のところどうなのか、というお話を伺っていきたいと思います。


特にヤスさんの場合、国際情勢の方がお詳しいので、外国との石破政権との絡みというところまで含め、色々とお話を伺っていけたらと思います。
では、お願いします。

▼日本の政権の命運を決定してきたもの

高島康司

やはり石破政権が成立しましたよね。
それで日本でも、今後石破政権がどのようになるかということが、散々言われているんですけれども・・・。

ただ、日本であまり報道されていないことがあるんです。それは何かと言うと、アメリカの影響力なんですね。

実は極端な言い方をすると、日本の政権の命運を決定するのがアメリカの圧力である、という風に言い切っていいかなとも思うんですよね。だから実際、アメリカの政権が気に入らないような政策をやると葬り去られる、という方向に向かう場合が多いんですよ。

そうすると、アメリカがどのようなやり方で日本に自分たちの意向を出してくるのかと言うと、大体そのシンクタンクのレポートなんですね。

▼ジャパンハンドラー

高島康司

その前に、ノーム・チョムスキーという人がいまして、この人は「誰が世界を支配しているのか?」という本を書いたんですね。誰が実際背後にいるのか、という話です。

それで、実際アメリカの歴代の政権に対して、非常に大きな影響力を持っているグループがいるわけですね。
その中には日本でもよく名前が出るグループなんですけれども、やはり軍産複合体系のグループがあります。
さらにウォール・ストリート系のグループがあります。
そしてあともうひとつは、彼らを繋ぐ大きなネットワークとして外交問題評議会、CFRというアメリカ合衆国のシンクタンクを含む組織があるんです。

だからその CFRの持っている影響力というのは、やはり巨大なんですね。軍産複合体系と、ウォール・ストリート。彼らが合体したグループになります。

そして日本にはジャパンハンドラーと呼ばれる人たちがいるんです。そのジャパンハンドラーというのは、軍産複合体系そしてネオコン系の、言ってみれば日本を担当する人たちの集まりなんですね。

この人たちというのは、日本をよく知っている知日派という名前で呼ばれているんですが、知日派と言っても何者かわからないですよね。
でも今言ったように、ネオコン及び軍産複合体系の利害を代表する日本の捜査チームなんですよ。別名彼らはジャパンハンドラーと言われているんです。

名前から言うと コロンビア大学教授のジェラルド・カーティス、リチャード・アーミテージ 、マイケル・グリーン、ジョセフ・ナイなどという人たちがいるんですね。
彼らの多くは戦略国際問題研究所、CSISというシンクタンクに結集しているんです。

それで、日本政府に対する圧力をかけてくるレポートというのは、大抵そのCSISから出てくるんですね。
たまに、CFR外交問題評議会からいきなり出てくることもあるんですが・・・。
そうすると、そのレポートを読むと、この政権の命運がどうなるのか、ということは少し見えてくるところがあります。

▼過去のレポートの内容

高島康司

少し具体的な過去の例を示しますと、例えば2014年、安倍政権になって1年ぐらい経った頃に、安倍さんが靖国神社を電撃訪問したんですね。

その直後に、このCSISから「安倍の危険な愛国主義」というレポートが出ました。このレポートは相当強い内容だったんですよ。

安倍は日米関係を損なう恐れがある。韓国との関係があまりにも悪すぎるし、それから中国との関係もあまりにも悪い。場合によっては、日本は中国との関係、韓国との関係を緊張させることによって、アメリカを厳しい立場に置く可能性がある。だからこの安倍の外交政策だけはやめてもらわなくてはダメだ。

というレポートだったんですね。

それでそのレポートで、どうすべきかということをまずはっきり言っています。

当時やはり従軍慰安婦の問題がすごく大きな懸案だったんですけど、安倍さんは、「韓国が話し合うんだったら、我々はいつでも応じるぞ」というようなことしか言っていなくて、その問題を日本から積極的に解決するといった行動には出ていなかったんです。

そのレポートは何を言っていたかというと・・・。
「せめて従軍慰安婦問題は、日本指導で解決せよ。」という感じのレポートだったんです。

そしてそのレポートが出て1~2週間経つと、やはり安倍さんは韓国に、従軍慰安婦問題はなんとかならないかと特使を派遣したんです。
そして向こうが、とりあえずこれだけ謝罪して、これだけ補償金を積むんだったらいいよ、みたいなことを言ってきて、いきなり急速に従軍慰安婦問題は手打ちになっていくんですね。
これで安倍さんが命を繋いだという感じです。


あと2020年に安倍さんが辞任したのは8月なんですけれども、その少し前に「日本における中国の影響」というレポートを出してきたんですね。

それによると、安倍さん自身は大して中国に影響を受けていないんですが、安倍政権の閣僚たち、二階幹事長であるとか今井内閣総理大臣補佐官などの高官であるとか、親中派の人たちがいる。

「これはなんとかしろ」というレポートが出た直後に、二階幹事長は幹事長職を降り、今井さんも首になったということなんですよ。それから安倍さんも、そのレポートが出た1ヶ月後ぐらいに、すぐ辞任を表明しましたね。

そんな感じで今回の岸田さんも・・・。
岸田さんが辞任を表明する前、総裁選に立候補しないということを表明する大体1~2週間ぐらい前に、レポートが出たんですね。

そのレポートというのは、岸田政権を評価はしているんですよ。日米関係の強化に役立った。いいことをやってくれた。それは感謝していいのではないかと。

しかし、やはり日本は憲法改正をしないといけないね。みたいな感じのニュアンスなんですね。
はっきりそのレポートに述べてはいないんですけれども・・・。

「岸田さんでは憲法改正は無理だろう。だから別の人間に変えた方がいい。」という感じのニュアンスが、読み取れるレポートなんですね。

それが出てきた直後に、岸田さんは立候補表明を取り下げたという形なんですね。

▼日本のメディアは、不都合な情報を報道しない

日矛

今のお話は、敗戦後GHQの占領化に置かれた日本が、その力関係を今だに引きずっていて、アメリカが裏で動いている、という話なんだと思うんですが・・・。

シンクタンクのレポートに書かれていることが、かなり有力な材料になっているということですが、そのレポートは公開されているものですか?

高島康司

そうなんですよ。
実は、彼らは隠す気もなくて、自由に読めるんですね。

日矛

そこなんですよね。
レポートは公開されていて、しかもシナリオ、所謂台本みたいなものですよね。

高島康司

そうです、そうです

日矛

台本、シナリオが書かれていて、「その通りに動けよ!」みたいなレポートだとしたら、「まさしくそれを何でメディアは報道しないのか」という話に帰結するんですけれどもね。

高島康司

そうなんです、本当に。オープンソースのインフォメーションなので、誰でもアクセス可能なんですが・・・。

それから、2001年から出ている「年次改革要望書」というものがあります。これは、アメリカ政府が日本政府に向けて出している要望書なんですね。「ここを改革してくれ」と。この年次改革要望書もープンソースで、誰でも読めるんですよ。

小泉政権が郵政を民営化するかなり前から、年次改革要望書には郵政の民営化を要望している旨が書かれていました。それも誰でも読めるのですが、ただメディアが報道しないというだけです。

日矛

だとしたら、それは所謂陰謀論でも何でもなく、事実ですよね。
それを、歪んだ見方を敢えてさせるような誘導がある、ということですよね。

高島康司

そうです、そうです。
だから都合の悪い批判的なレポートは報道しないんです。
どちらかと言うと、日本を評価するようなレポートは報道するんですが・・・。


親日派が日本を評価しているとか、知日派という言葉で言い換えているんですけれども、リチャード・アミテージみたいな人が来日しました、とか、そうした報道はしているんですね。

日矛

我々日本人から見たら、もちろんアメリカとのお互いの利益が共存関係になっていたら、それはどんどんありだと思っていますけれども、多分それだけではないはずなんですよね。

おそらくそういうところの攻め合いみたいなのも当然あって、それに沿ったいろんな政治の動きなども出てくるんでしょうね。

では次は、今、石破さんに対してどうかというレポートの話をお願いします。

▼石破総裁に関するレポート

長堀優

石破さんが今回総裁になった直後に、やはりCSISから石破というのはどういう人物か、というQ&Aみたいな簡単な記事がサイトに載ったんですね。

その記事の中で何を言っているかと言うと・・・。
「場合によっては、石場さんの外交政策は日米地位協定の見直しである」とか、「アジア版NATOの創設である」とか、「アメリカとの核の共同保有である」とか・・・今までにないことを言っているんです。

ただそれが全て実現すると、アメリカと日本というのが、もっと対等なパートナーシップになる。
アメリカに一方的に守ってもらって、アメリカに日本が従属するという従属関係ではなく、全くイコールなイコール・パートナーシップになる。それが石破さんの目指すところでもあるんです。

それに対して、
「石破はどうも、やはり今までの日米同盟関係に満足していないようだ。」
「彼は危険な人物になる可能性がある。」
みたいなことを言ってきたんですね。

さらにポリティコという結構有名なメディアがあるんですが・・・。
そこがジャパン・ハンドラーのジェラルド・カーティスなどの何人かにインタビューして、「石破さんはどうだ?」と尋ねたんです。

そうしたら、
「石破はこれまでの日米関係を変えることを良しとして、日本を独立させようとしている。」
「独立派のリーダーかもしれない。」
「彼はかなり危険だ。」
みたいなことを言い出したんですね。

それで今回の石破さんの初心表明演説では、この外交問題に関する自論の三点は、一切封印して何も言わなかったんです。
しかしもし、今後石破さんがこの三つの外交政策、日本を独立させるようなニュアンスを持った外交政策をそのまま追求するようであれば、石破さんはやはり圧力のターゲットになってくると思います。


それで圧力のターゲットになるとどうなるかと言うと、スキャンダルがばらまかれ、それで石破の支持率を下げるような方向に誘導されるんです。
そうするともう自民党内部でも、アメリカがあれだけ圧力があるんだったら、石破では絶対無理だ、みたいな声が出てくる。そのような方向に誘導されることになると思うんですね。

日矛

質問なんですが・・・。
今のお話では、シンクタンクと言うか、権力の中枢にあるアメリカというものがあって、占領化からずっと引き継いで日本をコントロールしようとする勢力があるんですよね。

そういうアメリカの体勢というのが一枚岩なのか、それとも中には、日本を本当の意味で独立をさせた方がアメリカにとってもいい、と考えるようなグループもあるんでしょうか?

高島康司

それはですね、グループとしてはないんですよ。

ただトランプ政権はそうなんですね。
「日本に対する関与なんて弱めていいんじゃないか。」
「勝手に守らせろ。」
「日米安保ももう一度再検討してもいいんじゃないか。」

というくらいの感じのニュアンスで見ているのは、トランプの方なんですね。

アメリカの外交問題、外交政策を立案しているグループというのは、すごく一貫していて、今言ったようなCFRを中心としたグループなんですね。
そしてこのCFRの中身というのは、軍産複合体とネオコンと、それからウォール・ストリートで、彼らがやはり合体して出来上がったグループで、巨大な権力を持っています。
このグループがどのようにして動くかと言うと、CFRが「アメリカの覇権の永続的な維持」ということを、最大の関心に持つわけですね。
彼らというのは、ある世界観を共有しています。それは我々が共有していない世界観で、どういう世界観かと言うと、「アメリカの一極支配」です。

アメリカの一極支配がなくて、多極的な世界になってくると、世界は万人による万人の闘争になってカオスで終わる。 だから世界に対して秩序みたいなものをもたらす唯一の勢力というのは、アメリカしかいないんだ。だからアメリカの一極覇権というものは、永続的に維持しなくちゃならない。
と、信念みたいなもんなんですね。世界観です。
だからそれを維持するためには、あらゆることをするという世界観の持ち主。これはもうみんな共有していますね。

▼石破政権の命運を握るアメリカ大統領選

日矛

おそらく今のシンクタンクの勢力というのは、アメリカが中心だというパックス・アメリカーナみたいな考え方なんでしょうけれども・・・。
それとは違うような動きというのが、裏の方ではあるような気がしますね。

いずれにしても、石破さんはどちらかと言うと日本が独立する方向で動いている、と捉えられているということですね。彼は防衛大臣の時に、結構そういう風な動きをしていたので何となく分かりますね。

高島康司

誰が大統領になるかによって、やはりある意味石破政権の命運が変わるだろうということですね。

現在主に共和党の内部にいたネオコンや軍産系のグループで、ウォール・ストリートもそうなんですけれども、ほぼ全員の勢力がハリスのバックアップになっているんですね。ハリスを支持しているんですよ。

だからハリス政権になるとやはり彼らの政策が如実に反映された外交政策になってきますから、今言ったように、石葉さんに対してはかなり手厳しい批判というか、手厳しい政権になってくると思うんですよ。

ところがトランプになるとガラっと変わるんですね。
トランプがはっきり約束しているのは、
「自分は軍産系とか、ウォール・ストリートとか、ネオコンも全て含めたディープ・ステートを全部排除する。」
ということを、公約ではっきりと言っているんです。

そして「プロジェクト2025」という920ページに渡るヘリテージ財団が作った計画書には、どうやってディープ・ステートを解体するかという詳しい手順まで書いているんですね。

これが実行されると、おそらく今言ったジャパン・ハンドラーも含めて、全て政権から排除されると思います。
そうするとやはり石破さんに対する圧力も、全然変わってくると思いますね。

日矛

そうすると、もうやがてアメリカの大統領選で、どちらが大統領に選ばれるのかが分かりますよね。
選ばれた時点で、仮にハリスの場合はすごく圧力がかかるという話でしたが・・・。

先ほどの打ち合わせの時、トランプ大統領の思想や心情と、石破さんが何か似ているという風にお聞きしたんですが、その辺の話を少し伺っていいですか。

▼二人の共通点

高島康司

石破さんに関してあまり報道されてないことなんですけれども、最近、佐藤優さんという外交評論家がチラチラ出してきていますが・・・。

石破さんの宗教的な背景というのがあって、石破さんはキリスト教徒なんですね。そして確かお母さん方の祖父が牧師だった人です。
それで同志社大学の新島襄が、熊本でたくさん洗礼をしたんですね。そして「熊本バンド」というグループができたんですけれども、その熊本バンドの末裔の家なんですね。

だから石破さんが、単純に家の宗教がキリスト教なのか、と言うとそういうわけではありません。
石破さんは「共に祈りましょう」という本まで書いていて、非常に熱心なキリスト教徒です。

なおかつキリスト教もいろんな会派があって、石破さんが信仰しているのはカルバン派なんですね。カルバン派というのは、他のプロテスタント、カトリックとはやはり一線を画した教えなんです。

それは何かと言うと、「全ての人間は、神から定められた使命と役割を持って生まれてきている」という教えです。
だからこのように生まれてきたら、「自分が、神から与えられた使命と役割りを全うすることによって、天国に行ける」ということを、ひとつの哲学にしているわけですね。

例えば自分が商売人だったら、一生懸命商売をして成功しなさい。自分が政治家になったのならば、それはあなたが神から与えられた役割なんだから、その政治家という役割を全うしなさい。というような感じの宗教なんですね。

五年前に石破さんが、日本キリスト教団というキリスト教のプロテスタントの会のトップとの会談があって、そこで「私は神に役立つことをしたい。これが信条だ。」ということを言っているわけですね。

ですから石破さんはやはり
「神から与えられて自分は政治家になったんだ。」
神から与えられた使命として、自分は首相になったんだ。」

と信じているような感じの人です。

ということは何かと言うと、例えば政治的な利害云々ではなくて、非常に高邁な理想を追い求めるというタイプだと思うんですね。

日矛

ここで皆さん方に誤解の無いように申し上げておくと、カルバン派というプロテスタントの一派は、厳格な宗教なんですよね。
それが巷で言われている、自民党の例の壺がらみとは全然違う、ということは補足しておいた方がいいと思います。

ですから、そこは同じキリスト系でも、誤解のないようにお願いします。

では、続きはトランプについてお願いします。

高島康司

はい。
実はトランプも、宗教心がない人かと言うと全然そうではないんですね。大統領になったくらいから、どんどん宗教心が強くなってきているんですね。


元々トランプもカルバン派なんですよ。彼はプレスビテリアンと言うんですけれども、彼の家は長老派の家なんですね。だから家の宗教が長老派でカルバン派であるんです。

でも2020年に、そのカルバン派を抜けているんですね。そして無教派になっているんです。「私は所属する宗派はないんだ」という風に宣言して抜けたんです。

何で抜けたかと言うと、やはり神の教えに目覚めたみたいです。「宗派に関係なく、自分はキリストの神の教えを追求したい」というような感じのニュアンスなんですね。
そして、アメリカのプロテスタントの主流の福音派と、非常に深い関係ができたんですね。

さらにトランプが今年の7月13日にペンシルバニアのバトラーというところで暗殺未遂されましたね。もうギリギリのところで一命をとりとめたんです。
あれが終わってから、実はトランプが「やはり私は神に選ばれた人間なのではないか」と思ったようなんですね。
それはトランプのみならず、やはりトランプの支持者たちも、「あれは神の介入によって彼が救われた」という風に、強く確信するに至ったんですね。


それで今アメリカでやはりトランプ支持者を中心に拡散している聖書があるんですよ。「エフェソの手紙」という新約聖書の1冊なんですけど・・・。

ちなみにトランプが7月13日に暗殺されそうになったのは、午後6時10分から午後6時13分までの3分間の出来事だったんですね。
そしたらそのエフェソの手紙の第6章10節から第6章13節に面白い記述があるんですよ。

その記述を読むと、どんなことが書かれているかと言うと・・・

6章10節
「最後に言う。主にあって、その偉大なる力によって、強くなりなさい。」

6章11節
「悪魔の策略に対抗して立ちうるために、神の武具で身を固めなさい。」

6章12節
「わたしたちの戦いは、血肉に対するものではなく、諸々の支配と、権威と、やみの世の主権者、また天上にいる悪の霊に対する戦いである。」

6章13節
「それだから、悪しき日にあたって、よく抵抗し、完全に勝ち抜いて、堅く立ちうるために、神の武具を身につけなさい。」

高島康司

・・・と言っているんですね。

これを発見したら、やはりトランプの支持者というのは狂喜するわけですよ。

「まさにトランプこそ、6時10分から6時13分、6章10節から6章13節までそうなっている。これはまさに、このエフェソの手紙で予言する人物なのではないか!」

ということで堅く信じている人たちが多くて、・・・トランプ自身がやはりそうなんですね。

最近1ヶ月前に行われたインタビューで、「あなたは神の介入がありましたか?」と聞かれたんですよ。
それに対してトランプが「当たり前だ。神の介入があった。私は神によって救われた。だから神の使命、神のおかげで私は大統領になるんだ。」みたいなことを言っているんですね。

そうすると、石破さんとメンタリティが似ているわけですね。自分の個人的な利害であるとか、どの政治勢力と妥協して云々とか、自分が いかに権力をつけるかだとか、そういう考えは一切ない。神から与えられた使命を全うするために自分は大統領になる、というわけですから。

では二人のその使命は何なのか?
それはトランプがその使命をどう捉えるか、また石破さんがその使命をどう捉えるかによると思うんです。

けれども神から与えられた使命ですから、例えば世界平和の実現であるとか、紛争を全てやめさせるであるとか、そういうような高邁な理想だと思うんですね。

そういう高邁な理想を共有するというところで、石破さんとトランプは、かなり気が合う可能性があるんですね。そしてなおかつディープ・ステートも全部排除されているわけじゃないですか。

そうしたら少し穿った話なんですけど、やはりトランプと石破さんはお互い心情がよく似てキリスト教徒だし、神から与えられた使命だと思っている。
じゃあ世界平和の実現のために一緒に本当に協力しようとか・・・そういうレベルの「宗教的なマインドによる一種の協力関係が成り立つ可能性がある」ということなんですね。

日矛

我々日本人の多くは、戦後の政策から引きずっているんでしょうが、宗教という言葉にものすごくアレルギーを持っている人が多いですよね。

高島康司

そうです。

日矛

それはものすごく誤解もあるんですが・・・。
今言われている宗教というのは、多くのいい意味での宗教の考え方だと思っています。

それは一言で言ったら、利害や欲得で動かないというところですね。それひとつをとっても、素晴らしいことだと思います。

そういう動きというのは、おそらく今の日本の政治の本当にダーティーなしがらみから外れた行動になるので、今後そういうところを注視しながら見ていく、ということになりますよね。

高島康司

そうですね。
今おっしゃったように、我々は宗教に対するアレルギーが強いんですが、ただやはり宗教のプラス面があるとしたら、仏でも神でも超的な存在がいるということを認知しているわけですよ。

そうすると自分の人生の意味であるとか、あらゆる意味を超越的な存在との関係で捉えるわけですね。従ってやはりそこには個人的な利害であるとか権力であるとか、個人的なものが入る余地は一切ないということですね。それがある意味でプラス面です。

「この超越的な存在との繋がりによって、ひとりひとりが生きる深い意味を見出すということ。」それが宗教のプラス面だと思うんです。

だから特に欧米とか他の国々でやはり宗教というのはすごく一般的なものになっています。特にアメリカは宗教国家なんですね。そうすると少し話が変わりますけど、宗教の持つネットワークが、実は政治的に1番大きな勢力になります。

例えばアメリカであれば、ネオコンとか軍産系であるとかを上回る勢力として、福音派がいるわけですね。
福音派はアメリカに8000万人いるんですけど、彼らというのは「その福音派が全く共和党を乗っ取った」と言われるくらいに影響力が強いんです。そうするとやはり福音派系の議員だらけなんですね。上院も下院もね。

そうすると例えば他の国で、例えば特にアメリカに近いところに福音派があったりすると、アメリカの政権に影響を与えるネットワークに参加することができるんですね。
そして何かの頼み事があると、福音派のネットワーク、宗教のネットワークを使って、政権の中枢まで意思を届けることができるんですよ。

例えば日本には福音派という教会があるんですけど、そういう政治的なネットワークから外れているんですね。
韓国にヨイド福音教会というのがあるんですね。これはアメリカの福音派が韓国に作った教会なんです。
そしてこれが韓国の最大のキリスト教団体なんですが、彼らの持っているアメリカの政治に与える影響力は相当なものです。
ヨイド福音協会の代表が、従軍慰安婦で、アメリカの政権に少し要望があるんだと言った場合に、やはり福音派系の議員を通じて政権の中枢にすぐ繋がるんですね。
そうやってやはり政権に影響を与えることはできる。だから宗教的なネットワークは決して無視できるどころの話ではないんです。

ましてや2018年でしたか、前トランプ政権時に、トランプ大統領が金正恩と交渉で1対1で喋りましたよね。何でトランプはいきなり金正恩と喋れたのかと言うと、その仲介をしたのが当時のビリー・グラカムという福音派の大御所なんですね。

何でビリーグラハムが金正恩との橋渡しができたのかと言うと、実はビリー・グラハムは北朝鮮で福音派の布教をしていた人なんですよ。それで彼の奥さんというのは、北朝鮮の小学校を出ているんですね。そしてまだその福音派のネットワークが北朝鮮の中に存在していて、教会まであるんですね。
そうすると、ビリー・グラハムを通じれば、金正恩とコンタクトもできるという関係なんですね。

そのぐらいに宗教の持っているアメリカの政権に与える影響というのは、すごく大きいんです。

だからもし、今回石破さんが神聖なカルバン派で、トランプと気心が通じ合うということならば、トランプの支持になっている福音派が場合によっては、「石破の言うことはよくわかる」ということで、石破さんのバックアップにつく可能性もありますね。

日矛

なるほどですね。
そこのところを、我々は期待したいですね。そしてできるのであれば、本当の意味の政治の刷新、改革を望むところですよね。

今日はどうもありがとうございました。

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