カバラの生命の樹 ~6000年の時を経て今に伝わる秘教
▼はじめに
皆さん、こんにちは。
今回は、6000年の時代を経て今に伝わる秘教、「カバラの生命の樹」についてのお話を、マヤ・アリカさんをお招きして伺っていきたいと思います。
マヤ・アリカさん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
私の方から、簡単にアリカさんについてご紹介します。
3月の末ぐらいに、「生命の樹 ワークブック」という本を、角川出版から出されました。
最近出版された書物の中でも、カバラの生命の樹と西洋占星術を組み合わせた、非常にユニークな内容を伝えられている本です。
それではアリカさん、簡単に自己紹介をお願いします。
はい、よろしくお願いします。
皆さん、初めまして。マヤ・アリカと申します。
私も日矛さんのチャンネルは2年ぐらい前から拝見しておりまして、すごくミステリアスで、魅力のあるチャンネルだとずっと思っていました。
だから、そこに私も出させていただくようになるとは本当に思ってなかったので、とても緊張しています。大変光栄です。
私はYouTubeチャンネルで、主に西洋占星術を使って、毎月の新月、満月の宇宙からのメッセージを届けています。
また月ごとの占星術予報みたいな感じで、どういう風に過ごしたら1ヶ月がいい感じで過ごせるのか、といった情報や、星の天体イベントがない時は、西洋の成功哲学みたいな情報を届けています。
よろしくお願いします。
▼生命の樹の歴史
はい、よろしくお願いします。
私もこの本を読ませていただきましたが、順を追ってお話をしていきたいと思います。
まず、「カバラの生命の樹」というところにフォーカスしたいと思います。
およそ6000年前、人類最古の文明とされるシュメール人がもたらしたとされていて、それが脈脈と続いていく中で、ユダヤ教に内容が引き継がれていった、というものですね。
大体解釈としては、そういう感じで合っていますか。
はい、そうですね。
旧約聖書以前になるともう伝説の域を出ないので、はっきりとこうですよ、と決まっているわけではないんですけれども・・・。
どうもシュメール時代から、壁画に生命の樹の元になったようなレリーフが書かれているんですよ。
世界中に樹のレリーフというのは存在しているんですけれども、その中でも1番古いのがシュメールの壁画なのだろう、という感じで私も認識しています。
そのシュメールの哲学が、脈々とユダヤ民族にも引き継がれて、ユダヤ人が体系化してこうした形の図になったのは、大体12世紀から13世紀ぐらいだという風に言われています。
生命の樹という考え方というのが、この表題にも書いてある通り、秘教なんですよね。つまり、顕教ではなくて秘教。
顕教というのは、表に現れている教えということで、表に儀礼なり文字なりを通して、教えが広まっているものです。
それに対して秘教になっているというのは、私の個人的な解釈ですが、秘教にせざるを得なかったところも当然あると思うんですよね。
時の権力者が大衆をコントロールする上で、それをあからさまにするのは不都合だったというのが、まず1つあったのだろうと思います。
もう1つは、その時代時代の変遷において、これを習得するのがなかなか難しかったというところもある、と思うんですよね。
それが、この本を読み進めていったら分かるんですけれども、ルネッサンス時代から活発に、それがまた表立って出てきたということですね。
そして、大体100年以上前ですかね。シュタイナーの時代になって、神秘学などでもこれが取り入れられるようになったんですね。
近、現代に行くに従って、この秘教の考え方が大分受け入れられるように、我々人類側の素地が出来上がっていった、というような解釈でいいのかと思うんですが、どうでしょうか。
はい、もうおっしゃる通りですね。
私たちの時代というのが、民族主義や家族主義などから、だんだん個人主義に向かっていますよね。
ですから個人の能力開花とか、自己実現というのがどんどん認められるようになってきた中で、私たちの精神性を高めて1人1人の神様と繋がりましょう、という考え方も1990年代のニューエイジを中心に次第に一般化してきて、今はもう誰でも触れられるような教えになっている、ということかなと思います。
▼生命の樹とは何か
そうですね。
今、生命の樹の歴史を振り返るようなお話をしたんですけれども、いよいよここから本題に入りたいと思います。
そもそも生命の樹とは何か、ということなんですよ。
下にある画像を見ていただければわかるんですけれども・・・。
全部で11個の丸があって、上に行けば行くほど神、すなわち我々の目に見えない世界の次元が高いところの存在、ということになります。
当時は、人々に伝えるのに、「神」という表現が宗教的な意味で一番良かったから使っていたんでしょうが、抵抗があれば、もう少し違う表現でもいいと思います。
そこに近いところが上の位置で、下の方がよりグランディングしているところの位置。
それを11個の丸で表現することによって、それぞれの仕組みのようなものを表しているんじゃないか、と思いますがどうでしょうか。
はい、そうですね。
生命の樹は単純な図形に見えるんですけれども、これによって宇宙の万物の創造原理を表している、という風に言われているんですね。
だから先ほど、占星術と結びつけられていると日矛さんに言っていただきましたけれども、天体を生命の樹に結びつけて、今の天体からのメッセージなどを生命の樹で読み解くこともできます。
また、私たち1人1人の生まれた時のホロスコープなどを、生命の樹に当てはめることによって、私たち個人を分析していくこともできるような感じになっているんですね。
このように、本当に万物の創造の雛型みたいな感じです。
これは例えて言ったら・・・。
我々人間の体の1つ1つの細胞に、DNAの遺伝子情報が入っていますよね。
今、現代科学でそれを落とし込んで、そのことが理解できますよね。
1つ1つの細胞に情報が入っていて、それが螺旋上のDNAの中の配列で、いろんな遺伝情報が決まるという話です。
それは多分、生物としてはそういう風な情報が、物理的に与えられているんだけれども、物質を超えたところの心の世界というのも、実はそういう配列があるのではないか、というような仮説を立てたんですけれども。
すごい。そうです。流石ですね。表現力、言語化力がすごくて、感動しました。
人の心にも、DNAのような配列があるという風に表現していただきましたけれども、本当にその通りで、すごく分かりやすいなと思いますね。
そうです。ただDNAも少し破損したり、不具合があったりすると、体が物質化するのに少し違う結果になったりしますよね。
それと同じで、心の構造も整っている場合と、少しバランスを崩している場合があるわけですよ。
その具合によって、この現実創造が綺麗にいく人と、いかない人が出てくる。
だから潜在意識を整えるために、今の自分の潜在意識がどんな状態になっているのかを生命の樹で見ていく、という感じですね。
これが、目に見えない世界の心の構造だとしたら・・・。
おそらく先人が駆使して、この生命の樹のこの11個の配列というものを、1つの図面化した、平面的なものに書き換えたんだと思うんですが・・・。
おそらくこれはもっと次元が違うところの、例えば空間座標ですら超えた空間に、さらに座標軸をもう少し、いくつも加えた状態で、この11個の配列になっているんじゃないかなという、そんな印象ですね。
はい、そうですね。
3次元物質世界を表しているのは、1番下のマルクトというところだけなんですよ。
他は、実は目に見えない世界なので、次元がどんどん上がっていっているという風に言うこともできます。
だからそれを立体と言っていいのはわかりませんが、次元が違うところを表しているという感じですね。
そうですよね。
今までの話をまとめると、生命の樹というのはユダヤ教の神秘主義の図面で、1番代表とされるものという印象ですが、秘儀とされて我々の知らないところで脈脈と伝えられてきたものなんですね。
そしてここに来て、いろんな情報を我々が共有する時代になって、それをもっと一般的に活用できるような時代に来ているんじゃないか、と思っています。
はい、そうです。
だからまさに今回のワークブックは、実用書が重なっていますので、かなりこの神秘思想を日常に落とし込むにはどうしたらいいのか、と考えた本になっています。
もちろん、それをエンタメとして楽しむ分もありだし、実用的に生かすことも当然ありで、アリカさんのこの本の場合は実用書の方にどちらかというと振っていて、それを活用することによって、心のトレーニングができるということですよね。
そうです。
意識をどんどん上げていく、視点を抽象的に持っていくことができる、ということですね。
今すごく漠然とした話をしているんですけど、これはかなり、リアリティがある話だと思っています。
例えば1つ例を言いますと・・・。
暗算の達人という人たちがいますよね。ソロバンなどを極めた達人。何十桁もの数字の掛け算や割算などを、パッと目で見て瞬時に答えを出せる人。
普通、我々の心のメカニズムだったら、そういうのはできっこないと思っているんですよ。でも事実、そういう達人は、それができる。
何故かと言うと、よく言われることなんですけれども、その数字をソロバンの玉に置き換えて計算を頭の中で自動的にやる、ということを彼らはやっているんですよ。
つまり言いたいことは、漠然としていて雲を掴むような、真っ暗な闇の中を進むような目に見えない世界であっても、心の修練をつけていけば、実は1つのやり方に沿って自分の心を調整していくことができる、ということです。
なるほど。そこに繋がるんですね。そうだと思います。自分の心の中の修練。
ソロバンの修練というのは、まずは手を動かすところから始まりますよね。
そのうち彼らは次第に、手を使わなくとも頭の中に概念化することができるようになり、頭の中で計算できるようになっていく。
そしてもしかしたら達人になると、やっているという意識すらなく、直感で答えが導き出せるくらいの感覚までいっているかもしれない、と思うんです。
本当にカバラの生命の樹も、常に自分の中にカバラの生命の樹が入っていて、自分の心の状態をモニタリングするのが当たり前になってくるといいですね。
そうして本当に達人と言うか、神意識と繋がったり、人間意識を確認したり、現実を見たりという、次元の移行が自由自在にできるようになることが、理想的な姿かなと思いますね。
このやり方はおそらく、言ってみれば一子相伝的に、秘中之秘として脈脈と何千年も伝わってきたんでしょうね。
修練し、極めながら、それを実現化していく。
そして実現した世界というのは、おそらく心を自分で操ることができる、操作できる。そういうところまで深めることになると思うんですね。
時の権力者なりそういう人たちは、一般には隠したという気持ちは当然働くでしょうね。
そうですね。
さらに神意識、1番上のところに繋がると、宇宙からの自分の使命みたいなものが、分かるようになるんですよ。
自分の役割を理解してやっていくことになるので、本当にワンネスの宇宙の調和と共に動く自分、というものを作れるようになるわけですよね。
人間意識から見たら、少し操り人形みたいなのでは、と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
けれども、実は宇宙の力を手に入れたあのカバラの世界では、アダムカドモンと言いますが、神人間という状態になるんですよ。
そういう状態で自由に地上を天国にしていくというのが、カバラの最終目標ですので、そういうことを目指してカバリストという人たちは修行している、という感じですね。
はい。
ときにはこれは怪しい宗教だ、という風なレッテルを貼られがちですけれども、全然そういうことはないんですよね。
この宇宙の摂理、真理という奥深いところにアプローチするわけだから、完全に自我というものが抜けてしまうんですよね。
自分の設定なり役割みたいなもので、自分を見ているということですね。
はい、そうですね。そうなれると逆に楽ですね。
自我に支配されない自分だと、自分がなくなってしまうのでは・・・という風に考える方もいらっしゃるんですが、そうではないんですよね。
本当に不思議な感覚なんですけれども、自分はしっかりとありながらも、自分の役割を全うする喜びの中で生きることができる、という感覚ですね。
▼占星術と生命の樹
さて次に、占星術とこの生命の樹がどういう関わりがあるか、という話で進めていきたいと思います。
これも、私の中の仮説なんですけど、生命の樹というのは・・・。
例えばミクロの世界で、先ほど細胞の1つ1つにDNAがあるという話に触れましたが、実はDNAの配列が、宇宙全体の配列と似ているという説を言う人もいるんですよ。
つまりマクロとミクロの近似性みたいなものが、おそらくあるんですよ。
そういう風に我々1人1人の魂の心の成り立ちが、この生命の木を表しているんだとしたら、宇宙全体からしたら人間1人1人はミクロですよね。
その我々1人1人の魂の心の成り立ちが、この宇宙全体の成り立ちと密接にリンクしている、という風な考え方でいいんでしょうか。
はい、その通りです。
今の現代の物理学とか天文学だと、フラクタル理論と呼ばれますよね。
宇宙と人間は相似形になっていて、私たちの脳のミラーニューロンとか、そういうニューロンネットワークというのがある、と思います。
それと銀河系の形が非常に酷似しているというようなことも、科学的に分かるようになってきました。
けれども神秘思想の世界では、数千年も前から、「ミクロコスモス・私たちイコールマクロコスモス」という風に言われてきたんですね。
そういう相似形というところから、この生命の樹の構造と個人個人の占星術の星を当てはめることによって、個人を特定して読み解くことができる、という風に言われています。
非常に興味深いですね。そこで占星術が出てくるということですよね。
つまり、占星術というのは星読みで、主に太陽系などの惑星の配置によってその状態などを知る、というものですが、それを心の丸の11個の配列とリンクさせて読み解く、ということですかね。
はい、その通りです。
なかなか興味が尽きないんですが、どのようにしてそこの世界に入り込んだんですか。
アリカさんは、最初は占星術から入ったんですか。
そうです。最初は占星術です。
実際にイスラエルなどを旅されて、本格的にカバラを勉強されたりした、とお聞きしたんですが。
そうですね。去年ですね。
今は戦争が始まっていますが、その前にイスラエルに行きました。
そこにはカバラセンターという、カバラの研究機関みたいなところがあるんですけれども、そこでセッションを受けて色々と教えていただきました。
そうなんですね。
私は、占いというものを考察することに、少し二の足を踏んでいるところがあったんですよ。
なぜかと言うと、確たる納得のいくものが出せないからです。例えばタロットカードもそうなんですが・・・。
分かるんですよ。
当たるということも分かるんだけど、それがどう結びつくのかが自分の中で腑に落ちない、というところがあったんですね。
でも今回の話を伺っていくと、この生命の樹というベースがまずあって、それとこの占星術を結びつけていく。
占いというよりも仕組みから入っているんで、この話は分かりやすいですね。
そうですね。私も、占星術やタロットから最初入ったんですけれども・・・。
占いの思想体系など、いろんなお客様の悩みを聞いているうちに、「どこに向かっているんだろう・・・」と少し疑問に思ったんですよ。
例えば、彼氏がいないのを彼氏がいるにしたところで、この人にとって本当に幸せかどうかはわからないんですよね。
この人のご相談は、彼氏がどうのこうのというよりも、自分の生きる目的とか、何か仕事で花開くことがあるかもしれない、ということかもしれないんですよ。
だから、そのクライアントさん自身が訴えかけてきている、表面的な悩み以上のものが読み解けるんじゃないかな、と思ったんですね。
その時に出会ったのが、この生命の樹だったんです。
こういう思想体系があって、生命の樹によって元々は、精神性を高めて、覚醒や悟りという状態を目指すための教えなんです。
元々はそこに覚醒するための修行の一環として、占星術が入ってきたり、タロットが入ってきたりしていたんです。
だから、そこの目的をしっかりと見失わない状態で、1人1人のお客様の今の悩みに答えることによって、魂ごと開運していくような根本治療ができるんじゃないかな、という風に思ったんですね。
それで、目先の悩みの解決だけではないセッションができるようにということで、私はこちらの生命の樹を取り入れたという感じです。
そうですね・・・。
自我の狭い思いを遂げるということに対して、多分その人の深層心理では、二の足を踏むところがあると思うんですよ。
けれども、それがストンと1本、宇宙のもっと深い根源的なところと繋がっていたら、より達成することに何の違和感もなく前進できると思うんですよね。
そのための力を与えてくれるのが、生命の樹かなとも思いましたね。
だから、その人の人生全体を見てカウンセリングできるんですよね。
それが、すごく長期的な視点で、それこそ今世だけではなく来世も再来世も、というくらいの3代に渡ってのカウンセリングができる。
それに向かっての今、ということですよね。
そういう視点で見ると、今の悩みって大したことないんじゃないかな、と思えてきたり、簡単にクリアできるな、と思えたりするんですよね。
そうなんですね。
今日は、色々とお話を伺いました。
私もこの本を読ませていただいたんですが、深いところでも読み解くことができるし、ワーク・実践として心のあり方を訓練することもできます。いろんな切り口で、この本に取り組めると思いました。
そういうことで、今回はマヤ・アリカさんにお越しいただきました。また何かありましたら、こうしてお招きしたいと思います。
はい、是非またよろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
では、皆さん失礼します。ありがとうございました。
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